備前焼の景色は・・
備前焼はひとつとして同じ景色のものが無いといわれています。
最大の魅力となっている備前焼の特徴なんですが、なぜ備前焼には同じ景色がないのでしょうかね。
それは窯詰めの方法に答えがあるんです。
備前焼の窯詰めは画像のように、いろんな大きさのものを組み合わせて詰めていきます。
大きい皿の上に一回り小さな皿を乗せたり。
飯碗を重ねてみたり。
徳利の前に、湯呑や酒呑を置いてみたり・・。
空間をうまく利用して窯を詰めるわけです。
さえぎられた部分には灰がかぶらなかったり炎が直接ふれなかったりと焼きムラが生まれます。
それが備前焼の景色になります。
作品同士の狭いところには灰や炭が堆積し、青灰色に発色する桟切が生まれるんですね。
作品に灰がかぶる場所では胡麻がとれますが、作品同士でさえぎることで灰のかぶり方に変化が生まれて色んな胡麻の景色が生まれます。
仮に同じように窯詰めを行ったとしても、堆積する灰まではコントロールできませんので絶対に同じ景色にはならないのです。
ある程度は狙ってとれる備前焼の景色ですが、最終的には炎の状態によって景色が生まれているんです。
作家はその手助けをする窯詰めを行っているわけです。
備前焼は炎の芸術と呼ばれますが、まさにその表現がふさわしい焼き物なんですね。
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