綺麗な景色のとれる場所・・
焼締め陶である備前焼の景色には窯変、胡麻、桟切、緋襷など色合いも表情も様々なものがあります。
この景色すべてをひとつの窯で一度に取るわけですが、取れる場所は窯によってほぼ決まっています。
窯変はここへ転がして・・、
胡麻はここへ置いて・・、
緋襷はサヤに入れてここへ・・。
窯の形状により景色が綺麗なものが取れる場所が異なるので、作家はこの窯のクセを早く見つけることが大切になります。
置き場所が徳利ひとつ分ずれただけでも、まったく違う表情に焼け上がりますからね。
また、窯を築く場所の条件によっては、同じ景色でも発色具合や表情が異なってきます。
窯焚きの際のちょっとした温度や湿度、風向きの変化によってもかなり表情が変わりますから・・。
毎回データを蓄積していても、あらゆる条件に左右されまったく同じには焼け上がってこないんです。
焼け上がり具合は神のみぞ知る、と言ったところでしょうか・・。
ただ、すべて神頼みと言うわけではなく、作家も窯を改造したり窯詰めを工夫したりと綺麗な景色を取る為の苦労をしています。
ある程度のところまでは作家の狙い。
あとは自然任せ・・。
ここが備前焼の面白いところなんですよ。
窯のどの部分でどんな景色のものが取れるのか・・。
機会があればご紹介したいと思っています。
0コメント