荒土・・

今日は備前焼の事について少し・・。
たまに見かける小石が混ざった荒い土味の備前焼。
荒い土を使って単純に形成しているように見えますよね。
が、実は技術的にも高度で非常に手間がかかっています。
荒い土を使ってロクロをひいただけではあのような質感にはなりません。
最後の仕上げに小石を表面に浮かす作業が必要になります。
これを行わなければ石ハゼが綺麗に表面に出てきませんので。
途中までは通常のロクロで形成を行い、最後の仕上げに内側だけに手を当ててふくらみを持たせます。
そうすることで表側に小石が浮き出てくるわけです。
このように外側には手を当てずに内側からふくらみを持たせることを南蛮挽きといいます。
南蛮挽きは荒土のほかにも表面にいろいろな表情を持たせる事ができるため、この技法を用いている備前焼作家は多いと思います。
備前焼は無釉焼き締め陶のため、土の表情が命ともいえます。
普段何気なく見ている土味も、様々な表情を出すために作家が研究し技術を磨いているんですね。
 

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