かせ胡麻・・

という事で、今回はカセ胡麻について少し・・。
備前焼の景色の一つに胡麻があります。
胡麻とは灰が備前焼の表面へ付着し高温で溶けてガラス化したもの。
パッと見、釉薬をかけ流したようにも見えますが、自然に灰が降りかかって溶けたもので自然釉となります。
運道(ウド)※1の部屋の棚上側に置いた作品によく見られます。
胡麻の種類もたくさんあり、色合いからは黄胡麻や黒胡麻。
胡麻のかかり方により飛び胡麻や流れ胡麻などがあります。
その中でかなり玄人好みの胡麻にかせ胡麻があります。
運道から次の部屋へ炎が通る口(スアナ)に多くみられる胡麻の事です。
画像のように胡麻が浮いたところは剥がれ落ちます。
これは高温により水分がなくなった灰が溶けきらず作品に付着した状態。
荒れた肌のようにカサカサになったものです。
作家は丁寧に剥がれ落ちる胡麻だけを処理しますが、使っていくと自然に剥がれ落ちる物もあります。
カセ胡麻の魅力は枯れた胡麻の質感と、剥がれ落ちた場所から見える土。
水にくぐらせるとより寂枯れた趣が出てきます。
使用状況によっては剥がれ落ちるためご贈答品にはあまりおすすめしませんが、カセ胡麻の良さをもっと多くの方々に知っていただければと思います。
※1登り窯の一番焚き口に近い部屋のこと。荒々しい窯変なども取れます。


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